障害者向けのショートステイ。高齢者向けとの違いは?身体・知的・精神それぞれ簡単解説。

障害者向けショートステイ 障害者向けのショートステイとは

ショートステイとは何も高齢者向けだけとは限りません。障害者向けのショートステイもあります。 高齢者用のショートステイは介護保険ですが、障害者では障害者自立支援の法律に基づいて運営されています。どのような形態なのでしょうか。ちょっと解説していきます。

この記事は、障害者向けのショートステイについて解説していますが、これから介護業界で働く・働きたい方にも、ぜひ読んで頂きたいです。

スポンサーリンク

障害者向けのショートステイの概要

身体・知的・精神障害それぞれのショートステイがある

まず、障害と言ってもいくつかに分かれます。 身体障害知的障害精神障害です。 それぞれ入所施設があり、入所とは別にショートステイを持っています。 基本的な流れは高齢者の場合と変わりません。 送迎は施設が行う場合もあるし、家族が行う場合もあります。施設では、生活の場として過ごすことが多く特養に近いと言えます。

高齢者向けのショートステイとの違いは?

受け入れる職員の側に少し違いが見られます。 高齢者向けの施設の場合と比べると男性の職員が多いことが特徴です。 これは、利用者が年齢的に若いことが多く、力のある男性が求められるためです。 例えば、身体障害の一つに脳性まひがあります。 中には身長が高く体重が重い人もいます。全介助で行うため入浴や食事の介助は体力が必要です。 また、医療関係者職員の割合も少ないです。 利用者の年齢が若いため、体調が安定する傾向にあるためです。 障害者向けのショートステイは高齢者向けと比べると数が少ないです。 そのため、地域によっては施設まで遠距離になってしまう当事者もいます。 家族だけでなく、様々な介護支援が必要になっています。

 

【身体障害】向けショートステイとは?

個人差の大きい特徴がある身体障害者

まず、身体障害は脳性まひのような先天性の障害と、病気やケガで身体に障害があるようになった後天性に分かれます。 障害があっても五感は働いていて意志の疎通が取れる人もいれば、しゃべることも聞こえることもできずほとんど寝たきりの人もいます。 つまり、個人差が大きいことが特徴となります。

身体障害者向けのショートステイが提供するメリットは?

ショートステイを利用するメリットの一つは家族が休めることであると言えます。 当事者は年齢が若い人が多いため家族も働き盛りの人が多いです。 仕事と介護の両立を頑張っている人は多いため休みを取れることがメリットと言えます。

職員の質はデメリットになりやすい

デメリットとしては、施設によって職員の質がまちまちであることです。 脳性まひや神経性障害、筋ジストロフィーなど一人一人様々な障害があります。 そのため、それぞれに対応できる職員が必要なのですが、職員の質はまちまちです。 寝たきりに近い利用者の場合、職員があまり関わらずに放っておかれることもあり得ます。 ショートステイを利用する場合、施設の質をよく考える必要があります。また、ショートステイ、特に今回お話したような身体障害者向け施設で働くことを考えている人は、様々な障害持ちの人の対応をしないといけませんので、知識を付けることをぜひ心掛けるようにしてください。

 

 

【知的障害】向けのショートステイとは?

グループホームに併設されやすい傾向にある

知的障害とは、IQが70以下で日常生活を送るのが困難である人たちです。先天性のもので、療育手帳を取得しています。知的障害者向けのショートステイはグループホームの中にあることが多いです。入所している利用者とは別に、短期入所で利用している人がいます。

知的障害者のショートステイの特徴2点

高齢者向けのショートステイと異なる点として、送迎は家族が行っている場合が多いです。車椅子は使わずに自力で移動できる人が多いためと思われます。

もう一つ、異なる点として精神系の薬を服用している人が多いということです。睡眠障害があったり、てんかんを持っていることが多く、それらに対応した薬が処方されています。薬は飲み忘れがあると重大な症状が出ることがあります。そのため、ショートステイを利用する場合、必ず飲み忘れがないように対策をしておくことが肝要です。利用者の家族にどのタイミングで服用してもらうかを確認しておきましょう。

知的障害向けのショートステイは支援費制度において利用することができます。利用できる日数が決まっているため、他の制度ともうまく利用しなが使っている方は多いです。

 

【精神障害】向けのショートステイとは?

精神障害のショートステイは普通の施設?

精神障害とは、統合失調症やうつ病、発達障害などが含まれます。 認知症も精神障害に入るという考えがあります。 精神障害のある人は、作業所やデイケアなどで過ごしていることが多いです。 ショートステイを利用できる日数に上限はなく、相談員などと話し合って利用するかどうか決めることが多いです。 身体障害や知的障害とは異なり、外見では分かりにくい障害です。 ショートステイの施設内は、手すりなどのバリアフリーは少なく、普通の施設であることが多いです。高齢者のように足腰が弱っている方が少ないからです。 ただ、中には外に出られないようにドアや窓が内側から開けられないようにしている、閉鎖病棟のような特徴のある施設もあります。

精神障害向けショートステイの質をどう見極めるか?

ショートステイを利用する時は、職員の質や施設の環境などをよく確認するようにしましょう。 また、ゲームや音楽などは持ち込めない場合があります。 職員の質はなかなか分かりにくいものです。 精神保健福祉士の資格を持っている人がいたり看護師がいる施設の場合、精神障害や薬に関する知識を持っているため安心です。 身体や知的障害対応の施設より数が少ないため探すのに大変です。ショートステイに対応しているかどうか、よく確認するようにしましょう。

障害のある子どものショートステイ利用が増えている

ショートステイを活用しながら日常生活を送っている人は多いかと思います。中でも最近は、障害のある子どもがショートステイを使うことも増えてきているようです。どのような背景があるのでしょうか。ちょっとだけ書かせていただきます。

障害のある子どもがショートステイを利用するようになった背景①②

背景の1つ目として、まず、家庭内だけで問題を抱えずに外部に出すことが多くなったことです。昔は、障害のあることを一家だけの秘密として、ひたすら家の中に隠しておくことが多くありました。
一方、現在では障害に対する知識が増えたことや、共働きをしている親が増えたことにより施設に預ける人が増えています。その一つの方法としてショートステイが利用されています。

背景の2つ目は介護などの制度が進み、様々な場所に子どもを預けられることです。

ショートステイを始め、デイサービスや保育園など使えるサービスは増えています。多様なサービスを使うことで、子育てが大変な障害のある子どもを上手く育てることができます。実際、富山型デイサービスという介護施設では障害のある子供たちと高齢者の方が一緒に、お互いの役割をしながら居ます。
参考:富山型デイサービスとは?

ショートステイを選ぶ時の質の見極め方は?

では、ショートステイを利用する場合は、どのような点に注意をする必要があるでしょうか。

まず、職員の質に注目します。保育士や介護士、看護師など様々な資格を持った人がいるかどうか確認をします。

特に看護師は必要です。子どもは大人と比べて、急に体調が変化するため経験豊富な看護師の存在が欠かせません。環境の変化に対する反応も大人より敏感であるため対応について職員とよく話し合う必要があります。

また、ショートステイで働こうとしている人は、質を見極められる側となりますので、資格を取得するなどして、利用者に安心して通所してもらえるようになりましょう。

 

ここまで、ショートステイについて書いてきましたが、では、実際にショートステイを利用するにあたって「持っていくもの」や「と気をつけないといけないことは何でしょうか?

 

次ページ:ショートステイで必要な物は?チェックリストを作ってトラブル回避!

 

タイトルとURLをコピーしました