介護の資格には沢山の種類があります。人気のあるものないもの。需要があるものないもの。簡単なもの難しいもの。今回は個人的にいくつか知ってほしい資格を3つ紹介します。
1つ目は一番取得が難しいと思うのが『社会福祉士』…名前は介護福祉士と似ていますが、取得の条件や必要な知識が膨大です。
2つ目は一部で人気の『介護事務』。
3つ目は実務経験なく講習で取れる『福祉用具専門相談員』。
社会福祉士の仕事内容とは?
社会福祉士とは、福祉施設・福祉事務所・病院などの相談室において、児童・障害者・高齢者など、何かしらの相談を受ける仕事です。相談員であり、カウンセラーのような仕事です。介護の方ですので高齢の方々のご相談というような形です。
ちなみにですが、社会福祉士は、国家資格になります。生活困難に直面している人に対して、社会福祉の専門的知識や技術をもって相談に応じ、問題解決に向けて援助する専門職が社会福祉士です。
援助対象者はどんな人達?
援助する方々は、一覧にすると、以下の6項目の方々になります。
- ① 高齢者
寝たきりの人、心身の不自由により生活が困難な方々。
- ② 障害者
身体障害者、知的障害者、精神障害者。
- ③ 子ども
虐待を受けている子ども、子育てに悩みを抱える親。
- ④ 医療機関利用者
入院患者、通院患者。
- ⑤ 低所得者
失業、病気、災害などが原因で生活が困難な方々。
- ⑥ 地域住民
地域の中で自立した生活が困難になってしまった方々。
社会福祉士の資格取得は難しい…
毎年1回、例年では1月下旬に試験が行われます。ただ受験するためには、受験するためには福祉系大学を卒業する、【実務4年以上+短期養成施設】というような受験資格を満たしている必要があります。とりあえず受験資格を満たすためには、12の方法があるようです。
以下が12の方法です。
- 1、福祉系大学等4年
→ 社会福祉士国家試験
- 2、福祉系短大等3年
→ 相談援助実務1年
→ 社会福祉士国家試験 - 3、福祉系短大等2年
→ 相談援助実務2年
→ 社会福祉士国家試験 - 4、福祉系大学等4年
→ 短期養成施設等6ヶ月以上
→ 社会福祉士国家試験 - 5、福祉系短大等3年
→ 相談援助実務1年
→ 短期養成施設等6ヶ月以上
→ 社会福祉士国家試験 - 6、福祉系短大等2年
→ 相談援助実務2年
→ 短期養成施設等6ヶ月以上
→ 社会福祉士国家試験 - 7、社会福祉主事養成機関2年
→ 相談援助実務2年
→ 短期養成施設等6ヶ月以上
→ 社会福祉士国家試験 - 8、実務4年(児童福祉、身体障害者福祉など)
→ 短期養成施設等6ヶ月以上
→ 社会福祉士国家試験 - 9、一般大学等4年
→ 一般養成施設等1年以上
→ 社会福祉士国家試験 - 10、一般短大等3年
→ 相談援助実務1年
→ 一般養成施設等1年以上
→ 社会福祉士国家試験 - 11、一般短大等2年
→ 相談援助実務2年
→ 一般養成施設等1年以上
→ 社会福祉士国家試験 - 12、相談援助実務4年
→ 一般養成施設等1年以上
→ 社会福祉士国家試験
相談援助業務のスペシャリストの社会福祉士ですので、気になる方は調べてみても良いかと思います。
おまけ:社会福祉士と介護福祉士の違いは?
最後に、社会福祉士と介護福祉士の違いについてです。名称が似ていますので、間違えないようにしましょう。
●社会福祉士は、福祉や法律、心理学などの知識で、問題を持ち悩んでいる人を解決に導く仕事です。相談援助業務に携る資格となり、頭を使うことが仕事になります。
●介護福祉士は、高齢者や身体が不自由な人を介護することが仕事になります。つまり身体介護業務に携る資格で、主に体を使うことが仕事になります。
介護事務とは何か?独学で習得も可。でも資格とっても需要はあるの?
介護の資格にはいろいろとありますが、介護事務という資格があります。事務系の資格と言えば、医療事務や調剤薬局事務といったものの方が有名かもしれません。介護事務は比較的マイナーな資格ではありますが、一部に人気があるので、今回ご紹介します。
介護事務の仕事内容は?
さて介護の現場にも介護事務という資格があるのですが、レセプト業務がほとんどです。レセプト業務とは、「患者」が受けた診療について、「医療機関」が健保組合などの「公的医療保険の運営者」に請求する医療費の明細書を出したり、計算したりする作業ですが、介護の場合は、介護保険とかのからみが出てきますので、その計算が入ってきたりします。
通称「介護報酬請求業務」です。現在、介護保険制度により介護サービス費用は、利用者本人が1割、残り9割を国が負担することになっています。介護報酬請求業務とは、この9割を負担する国に対して請求を行う仕事です。介護事務のレセプトはこの業務になります。
マイナーだけど女性には人気。ただ、需要は…
さて、もちろん他にも、受付業務・電話応対、職員のシフト管理・備品のチェックなど事務全般を担当します。事務系の資格ですので、女性からは事務系等の資格の中ではマイナーと言えども、一部に人気がある資格です。確かに、他の事務系統と同じで、「年齢に関係なく働ける」「結婚や出産で仕事を離れても復職がしやすい」「長く安定して働ける」という要素があり、安心です。
しかしながら、需要は少なめかもしれません。介護施設の求人を見ると、レセプト業務だけができるより、他の介護系の資格(ケアマネや介護職員初任者研修)を一緒に持っていると重宝されるようです。
独学でも資格取得はできる
介護事務の資格を取得するための通信講座やスクールで学べますが、独学で学ぶことも可能です。実務試験とかはありませんので、気軽に受けられる資格の1つですから、受けてみるのも良いと思います。
福祉用具専門相談員の仕事内容は?資格取得の為に押さえること。
福祉用具専門相談員が必要な背景
介護の資格で、あまり知られていない福祉用具専門相談員という資格。実務経験のような条件は無く、講習のみで誰でも取得できる資格なので、目指してみてもいいかもしれません。介護保険制度においては福祉用具の貸与が保険給付の対象になっています。そして福祉用具を取り扱うためには会社側は事業者として都道府県知事に連絡する必要があります。
その際に、福祉用具に関する専門の相談員を2名配置しなければならないという決まりがあります。そして、その専門の相談員というのが、福祉用具専門相談員です。
福祉用具専門相談員の仕事内容とは
介護が必要な高齢者や障害のある方に介護用品の販売やレンタルを行う際、適切な選び方や使い方を専門的にアドバイスする仕事ですが、福祉用具の点検や調整というメンテナンス的な仕事もやっていく必要があります。
実は取得しやすい資格なんです
受講資は特に何もないので、どなたでも受けることが可能です。厚生労働省大臣が指定する講習会を受講した人に資格が与えられていますので、誰でも取得しやすい資格です。実際に、厚生労働省が指定する、40時間の講習過程を修了すれば取得できます。
講習の内容を押さえておこう!
講習内容は主に以下の4つです。
- 老人保健福祉に関する基礎知識
- 介護と福祉用具に関する知識
- 関連領域に関する基礎知識
- 福祉用具の活用に関する実習
の4つになります。
講座では、福祉用具を制度面、医療、福祉、心理、リハビリテーションなど様々な側面から学習しますが、実際に福祉用具に触れて操作方法を学びます。
講義を26時間。
実習を14時間という形です。
福祉用具専門相談員の求人を見ると、未経験OKだったり、福祉用具専門相談員資格の有無は問わないというパターンは多いですが、持たないより持つ方が就職には有利なので、狙ってみてはいかがでしょうか?