介護認定を受けるための条件や申請・手続きの流れ、必要な物をまとめて解説

最近は高齢化が進んでいることもあり介護認定を受けて介護制度・介護支援サービスを受ける人が増えてきています。介護のお世話になる人は今後ますます増えていくと考えられます。現在、介護支援サービスを受けていない人でも、どのように介護認定を受けるのかを知っておくことは大切です。

今回はどのように介護申請の手続きをすればよいのか・申請に何が必要なのか・認定の条件など最初にみなさんが疑問に思われることを解説していきます。

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介護保険・支援サービスを利用できる対象・条件とは

介護認定を受ける前に、いくつか確認するべきことがあります。介護サービスとは誰もが無条件に受けれるのではありません。介護保険という税金が使われるので、それなりの基準や審査が必要になります。まず、介護支援サービスを受けることができるのは65歳以上の男女が原則となります。65歳未満の人で、サービスを受けたくても認定は降りません。

難病や半身不随などの方は例外

ただし、例外があります。65歳未満でも特定の疾患にかかっている人は支援サービスを受けることができます。例えば、難病やがん、脳卒中で半身不随になった人など、日常生活を送るのが困難になった人です。これらの場合、介護保険のサービスを利用することができます。

65歳以上でも認定を介護支援を受けれないことも

また、65歳以上になっても簡単には認定はおりません。介護認定では、日常生活で介護が必要かどうかが判定されるため元気な人はほとんどの場合、認定は降りません。

国は介護予防に力を入れている

余談ですが、最近では、元気な高齢者が増え、70代、80代になっても介護サービスを受けずに元気な人がいます。介護支援サービスは国のお金を使うため、国としては介護予防サービスに力を入れて、なるべく介護認定が下りない/介護の必要のない高齢者になるような動きが盛んです。バランスの良い食事、適度な運動、ストレスをためない生活を続けることで、介護予防ができます。

 

介護認定の為の申請の流れ。手続きは誰がするの?

仮に明らかに介護が必要な人が家族に居たとしても、いきなり介護施設に連絡してもサービスは受けることができません。まずは市役所に介護認定の申請をすることになります。

介護申請は本人か家族。無理ならケアマネージャーが担当。

申請ができるのは、本人か家族です。家族が申請する場合、本人がケガや病気などで市役所に行けない場合が多いです。また、介護対象者が認知症などを患わっている場合もあります。

ただし本人も家族も申請ができない場合もあります。例えば、子どもや孫が遠い場所で暮らしていて一人暮らしの高齢者などです。周囲の人の勧めで介護認定を受けることを勧められていても、本人が市役所まで行けないこともあります。そのような場合、居宅介護支援事業所介護保険施設・介護保険事業者に申請を代行してもらうこともできます。この時は主にケアマネージャーが申請することになります。

*居宅介護支援事業所とは自宅に居る要援護者の要介護認定の申請や、要介護認定者のケアプランを作成を助ける事業所です。

他にもケアマネージャーが申請する場合も

ケアマネージャーが申請する場合は上記の例の他にもあります。それが民生委員などからの相談を受けて行われる場合です。地方では、地域のつながりがまだ残っているため民生委員が一人暮らしの高齢者の世話をしていることがあります。一人暮らしができなくなり民生委員から相談という形でケアマネに相談が来ます。

都市になると、地域のつながりが弱まっているため介護認定につながらずに状態が悪化する場合もあります。コミュニティをうまく作ることでスムーズに介護認定につながるようにしたいものです。

*民生委員とは民生委員法で定められた非常勤の地方公務員です。核家族化や地域社会のつながりが薄くなっている地域で、子育てや障害・高齢者の介護で悩む人が孤立してしまわないように、地域住民の為の身近な相談相手となり、関連機関へと繋ぐお手伝いをします。
 

 

介護認定の申請・手続きで必要な物

申請には「主治医意見書」「被保険者証」「申請書」の3つが必要になります。

主治医意見書とは何なのか?

主治医意見書とは、医者による意見書です。日常生活で介護が必要かどうか医療による診断書が必要となります。医学的見地から意見を求めるためのもので、身体の各部位がうまく動かせるかどうか食べ物を飲み込むのが難しいか等、医師による調査が行われます。介護認定の要介護度の判定がこれで決まりそうに見えますが、これだけでは決定されるのではなく、ケアマネージャーや市の介護認定調査員などが調査する際の参考になります。

主治医意見書の名前の通り、介護対象者のことをよく分かっている主治医に作ってもらうのが理想ですが、主治医がいない場合は、市町村が指定する医師が意見書を作成することができます。また、主治医意見書を作ってもらう時は、高齢者をたくさん診ている医者に依頼する方がより安心です。総合病院など大きな病院でもらうこともできますが、地域にある小さな病院の方が早く入手できたりします。

主治医意見書については、(介護認定の為の【主治医意見書】)でもまとめていますので、詳しく知りたい方は確認してみてください。

被保険者証は介護保険料を納めていれば大丈夫

次に、被保険者証ですが介護保険料をしっかりと納めていることが条件となります。保険料は40歳以上から納入の義務がありますが、納めていないと介護保険サービスを利用できません。被保険者証は、しっかりと税金を納めていて介護保険のサービスを受ける資格がありますよという証明になります。

市役所が17時に閉まるので忙しい方は申請代行の利用も

これらの2つを添付して介護支援サービスを認定してもらう為の申請書を出すことになります。市役所に提出するため、17時には市役所は閉まってしまいますので、介護対象者の本人は自力で行けない、かつ自分は会社で行けない…なんてことも良くあります。

そんな時は事情を話して会社を休ませてもらってもいいですし、居宅介護支援事業所や介護保険施設に申請を代行してもらうこともできるので、気軽に相談してみましょう。介護認定はすぐに行われることはないので、しっかりと計画を立てて早めに申請することをオススメします。

 

介護認定調査員の訪問と要介護度の判定

「介護認定調査員が訪問して調査」と言われると、何を調べられるのかちょっと心配ですね。なので、事前にどんなことが調査されるのか知っておいて損はありません。

介護認定調査員が訪問して確認作業

介護認定の申請をした後に市の職員とケアマネージャーが介護認定調査員としてやって来ます。日常生活に介護支援サービスが必要かどうか、必要であればどれくらいの介助が必要なのか具体的に聞き取りをするのが目的です。

例えば、入浴する場面です。まず、

 → 衣服の着脱が一人でできるかどうか
 → 左半身に麻痺があってなかなか難しいのか
 → 一人では難しい

などの介護認定調査項目に沿ってチェックしていきます。

浴室でも、

 → 自立してひとりでできるのか
 → 手すりや介助用の道具うを使うことで入浴ができるのか
 → ひとりでは難しい

などのそれぞれの行動に介護認定調査項目があります。浴室をバリアフリーに改装すれば入浴ができるのか、それとも本人の身体能力が低下していてどうしても入浴が難しいのかを見極めることも行います。

調査するのは介護対象の本人だけではない

このように、本人の身体的な状況だけでなく、日常生活や家族との関係についても調査するのが認定調査です。介護認定では要支援1や要介護3など、具体的な数も決めていくため、認定調査は極めて大切であると言えます。

介護認定調査による訪問後の流れは一次と二次判定がある

認定調査の後、コンピューターによる一次判定介護認定審査会による二次判定が行われます。これらの過程を経て介護認定が行われます。結果が出るまでには多少の時間がかかります。介護認定の結果は、要支援1、2、要介護1~5の区分と非該当に判定され、本人に通知されることになっています。
介護度の判定については、こちらのページ(要介護度の判定の基準。要介護認定の区分を変更の流れを解説)で詳しく解説しています。