最近は高齢化が進んでいることもあり、介護を必要としている高齢者が多くなっています。同時に、介護を仕事とする人も増えてきています。今後も需要は増えつつあり、注目されているので、今回は介護と資格についてお話していきます。
目次
介護と資格について。仕事のために取得する価値は十分ある!
専門学校を卒業する新卒だけでなく、異業種から介護業界へ転職する人も増えています。それだけ魅力のある仕事と言えますが、介護を仕事とする上で資格は欠かせないものになります。
介護の資格が必要な理由①:高齢者に負担をかけない専門技術
なぜ資格が必要となってくるのでしょうか。第1に、専門の知識と技術を持っていることを証明するものになります。介護を仕事とするためには、高齢者の身体的特徴や精神的特徴を理解しておく必要があります。大人と違い急な体調の変化が多いため、とっさに判断することが求められます。また、介護技術はポイントがありしっかりと理解しておかないと介護される方もする方も負担になります。そのため、勉強が必要となっています。この人は介護をする上である程度の能力を持っている人であることを証明するために介護の資格が必要となります。
介護の資格が必要な理由②:できる仕事の幅を増やす(給料も!)
第2に、働く上での動機づけになってきます。資格を保持していないとできない業務があり、また給与体系にも反映してきます。介護を仕事としている人の最初の目標は介護福祉士の取得になります。専門学校で勉強して卒業した人は取得ができますが、他業種から転職して働いている人は取得するために様々な条件があります。資格を取得していると資格手当が付き給与が上がるため、やる気の向上へとつながります。
このように、介護の資格する価値・理由は十分あります。
資格のみでは×。実務が必要な3つの理由
介護の仕事に就くために資格を取ることは大切です。他業種から転職する人の中には、仕事をする前にとにかく資格をたくさん取っておこうと考えて勉強している人が多いです。でも、どれだけ資格がたくさんあっても実務経験がないとあまり意味はありません。なぜでしょうか。
① 介護経験からくる判断ができる
第1に、介護の仕事は経験が重要視されるからです。目の前の利用者が急に体調が悪くなったとき、頭の中にある知識だけで判断するのはとても難しいです。「少し前のこのような要因で体調が悪くなった。」「いつもと較べて様子がおかしい』など経験から判断できる部分が多々あります。長年一緒にいるスタッフは勘がするどいということがありますが、経験の大切さを物語っています。
② 資格には実務経験が必須(特に難易度の高い資格)
第2に、高度な資格になると実務経験が必要になってくるからです。介護の代表的な資格である介護福祉士は3年の実務経験が必要ですし、ケアマネージャーは5年の実務経験が必要になります。勉強のみをしていると、これらの資格を取得できるのが遅くなります。実務経験は転職する際にも大切になってきます。
③ 知識と実務の差がある
第3に、介護技術は経験から上達していくものだからです。研修などで勉強しても、実際の高齢者や障害者が相手ではないためどうしても違いが出てきます。知識が多すぎると修正するのに時間がかかってしまう場合があるため、経験を積み重ねていくことが大切になってきます。単に経験をすればよいのと言うわけではありませんが、知識と経験の両方が大切です。どちらか一方に偏ってしまわないようにバランスを考えていくようにしましょう。
介護の資格を活かす為に考えること。現状の職場と関連するものを選ぼう
介護の仕事をする上で、資格をどのように活かしたらよいのか悩む人もいます。せっかく介護の資格を取得したなら、やはり仕事にうまく活かしたいですからね。介護の資格を活かす為の考えを話していきます。
国家資格がオススメできる理由。
介護の資格を仕事に活かす為には、国家資格を取得することが一番オススメです。具体的には、介護福祉士やケアマネージャー、社会福祉士などです。なぜオススメできるかというと、このような介護の国家資格は公的な資格であるため社会的な信用度も高く、汎用性が高くどのような施設でも役立つのが特徴です。また資格手当も付くために自分自身のモチベーションを上げるためにも良いでしょう。
民間の資格は目指すべき職場を考えて取得する。
逆に言うと、民間の資格はうまく活かさないと仕事に良い影響を与えません。例えばガイドヘルパーの資格は、実際に障害のある人の外出支援の仕事をする時に役に立ちますが施設で働いている場合は仕事にほとんど影響しません。このように、自分が目指している仕事や、現在従事している仕事の特性を考えて、必要な資格を取得するのが良いです。また資格取得の勉強をする際も、実際の体験があると勉強の内容も頭に入りやすいです。
ちょっとマニアックな資格がチャンスを広げることも
他の人が持っていない資格取得を目指すのも一つの方法です。例えば、サービス管理提供責任者の資格を取得するためにはいくつか条件があり、持っている人は少ない傾向にあります。このような資格を取得すると、できる仕事の幅も広がります。自分の働いている会社の中で、持っている人が少ない資格を取得することを考えてみてはいかがでしょうか。
仕事に関わる資格を選ぼう
介護や福祉関連の資格をいくら持っていても、実際の仕事に役に立たなければあまり意味はありません。それでは、実際にどのような資格を持つと、どの施設に活用できるのでしょうか。解説していきます。
【特別養護老人ホーム】や【老人保健施設】で働く時、便利な介護資格は?
まず特別養護老人ホームや老人保健施設などでは、何が便利な資格でしょうか考えてみます。
介護福祉士はぜひ取りたい!
第1に目指すべき資格は介護福祉士になります。このような施設では賃金体系が明確に定められていることが多く、介護福祉士の資格があるのとないのとでは賃金も大きく変わってきます。また資格を持っていると夜勤を任せられることが多くなります。
介護福祉士についてはこちらの記事も参考に。
ケアマネージャーは介護士以外の職員にも便利
その次は、ケアマネージャーです。施設で働く職員でもケアマネとして働いている人は多いです。フロア担当、主任など昇進していくにつれケアマネとしての道も出てきます。
ケアマネージャーについてはこちらの記事も参考に。
【訪問介護】では資格無しでもなんとかなるが…
次に、訪問介護ですが施設で働く場合と様相が若干異なってきます。訪問介護の場合、施設入所の利用者と比べると要介護度が低いことがあり、生活援助(*)や家事援助が中心となります。そのため、介護技術や知識があまりなくてもこなせることがあります。
ホームヘルパー2級(現在「介護職員初任者研修」となりました)という資格は、もともと訪問介護を行う為に必要な資格でした。ですが、施設での勤務に役立つ内容が多数あることから施設職員でも、取得していることが当たり前という傾向にあります。
介護職員初任者研修ついてはこちらの記事も参考に。
介護福祉士もいいが、実務者研修もオススメ
目指す資格は介護福祉士ですが、実務者研修でも良いです。これらの2つの資格は、サービス提供責任者(*)になるために必要な資格であるため、どちらかの資格があればなれます。実務者研修の資格の方が難易度が低いため、悩んでいる人は実務者研修をお勧めします。
実務者研修ついてはこちらの記事も参考に。
やりたい仕事の為の資格取得を考えよう!
自分の性格や適性から資格を選ぶという方法もあります。例えば、ひとりひとりの利用者と関わることが好きな場合は介護福祉士、相談援助が得意な場合はケアマネや社会福祉士、医療からも介護に関わりたい場合は看護師の取得を目指すということです。やりたくない仕事をイヤイヤしていても長続きはしないので、自分にあった仕事の為の資格を探すことをオススメします。