私の職場に中卒で契約社員の転職者として入って来た23歳くらいの女性がいました。
当時私の職場は病院で、病棟が2階と3階では担当スタッフが異なり、基本的にその女性は3階の介護士として配属が決まっていました。けれど契約社員として入って来た当初、その娘は2階の患者様が入浴する日でも、3階の患者様が入浴する日でも入浴スタッフとして仕事をしていました。
入浴の介護は慣れないと体力的にも大変で、しかも3階の病棟スタッフであるにも関わらず、2階の病棟スタッフとしても働くという不安定な状態で働いていました。そうして行く内に契約社員として入ったもう1人の女性と共に日に日に顔つきが厳しくなっていくように見えました。そして1人の契約社員の方は40代ほどの女性でしたが、しばらく後に辞めて行きました。けれど若い彼女は辞めて行く事はありませんでした。同い年くらいの正社員の女の子と仲良くなり、それなりに仕事も覚えて行きました。
そうする内に、彼女に転機が訪れました。彼女は3階の病棟の職員でありましたが、2階の入浴介助を手伝って行く内に、2階病棟の看護師長の女性と親しくなって行きました。何か特別な事をしたとかそういった様子ではなく、性格的に馬が合ったのでしょう。そして、その2階の看護師長の方から、ぜひ彼女には2病棟の介護士として来て欲しいと指名されました。
つくづく介護士の職場は人間関係なのだと思わずにはいられない出来事でした。それまで中卒で契約社員であるために、正社員がボーナスを貰う中でも貰えずに彼女は過ごしました。また夜勤を正社員がすると夜勤手当が付いていましたが、契約社員の彼女には正社員の夜勤手当ほども給料に反映されていないと言っていました。
それが今では正社員となり、介護福祉士の資格を取るための第1ステップとして、高校卒業の資格取得に向けて頑張っています。恐らく彼女は高校卒業の資格も、介護福祉士の資格も取るでしょう。彼女がこれだけの機会を手に出来たのは、彼女自身の頑張りに他なりませんが、この職場に転職した事は結果的に大成功だったように感じました。
中学卒業の方でも頑張っている方はいます。あなたもぜひ人間関係を使って、挑戦してみて下さい。